タクシーの給与保証が終わったら?必要な売上と確認事項を現役ドライバーが解説

「タクシーの給与保証が終わったら?」の見出しと、タクシー・電卓・売上グラフを組み合わせた画像 給料・売上・働き方

「未経験でも月給35万円保証」「入社後6か月間は給与保証あり」

タクシー会社の求人を見ていると、こうした給与保証制度を目にすることがあります。

未経験でタクシードライバーに転職する人にとって、慣れない仕事を覚える間の収入が保証されるのは大きな安心材料です。

しかし、本当に確認しておきたいのは、その先です。

「給与保証が終わったら、いくら稼がないといけないのか?」

私は東京で働く現役タクシードライバーです。未経験からこの仕事を始め、給与体系の異なる会社への転職も経験しました。

この記事では、給与保証終了後の収入を考えるために、具体的な売上シミュレーションと確認すべき条件を解説します。

※給与保証の制度や賃金計算は会社によって異なります。この記事のシミュレーションは計算方法を理解するための仮定であり、特定の会社の給与条件や筆者自身の給与保証実績を示すものではありません。

給与保証が終わると、給料はどうなる?

結論から言えば、給与保証が終わったからといって、必ず給料が下がるわけではありません。

保証期間が終了した後は、勤務先で定められた通常の給与計算方法が適用されます。

タクシー会社では、売上に応じて歩合給が変わる給与体系が使われていることがあります。

そのため、保証期間中より多く稼げる人もいれば、収入が減る人もいます。

大切なのは、保証が終わった後の給与体系を理解し、その金額を稼ぐためにどの程度の売上が必要なのか把握しておくことです。

月給35万円を維持するには、いくら売上が必要?

ここからは具体的な数字で考えてみましょう。

仮に次の条件の会社があったとします。

  • 給与保証:月35万円(総支給額)
  • 保証終了後:税抜売上の60%が給与総額になると仮定
  • 月間乗務回数:12回

この場合、保証期間中と同じ35万円を稼ぐために必要な税抜売上は、

35万円 ÷ 0.60 = 約58万3,333円

です。

月12回の乗務なら、

約58万3,333円 ÷ 12回 = 1乗務あたり約4万8,611円

となります。

つまり、この単純化した条件なら、1乗務あたり税抜約4万9,000円を売り上げることが目安になります。

給与保証額別・必要売上の早見表

保証月額必要な月間税抜売上12乗務の場合の1乗務あたり
30万円50万円約4.2万円
35万円約58.3万円約4.9万円
40万円約66.7万円約5.6万円

※歩合率60%、税抜売上を基準とする単純な計算例。実際の賃金制度では基本給、手当、割増賃金、賞与、歩合の算定条件などが関わるため、この金額だけで実際の給与を算出することはできません。

この表で伝えたいのは、どの保証額が良いかという話ではありません。

保証期間が終わったとき、自分が必要とする収入を得るための売上目標を確認しておくことです。

あなたの給料も計算してみよう

「給与保証が終わったら、自分はいくら稼げるの?」

そんな疑問を解消できるよう、無料の給与シミュレーターを用意しました。

月間売上・歩合率・乗務回数を入力すると、給与の目安や給与保証終了後の収入を比較できます。

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※手取り額は入力した控除額による概算です。税金や社会保険料を自動計算するものではありません。

給与保証で見落としたくない5つの条件

求人広告の保証額だけを見て会社を決めるのはおすすめしません。

私なら、次の5つを確認します。

1.給与保証はいつから始まるのか

「入社から6か月」と「初乗務から6か月」では、保証の対象期間が変わる可能性があります。

未経験で入社した場合、二種免許の取得や研修が必要になるためです。

私自身、未経験で入社した際には、研修と免許取得を合わせて約1か月かかりました。

研修期間の収入条件と、初乗務後の保証条件は分けて確認しておきたいところです。

私の実際の研修経験は、二種免許・研修から初乗務までの記事で紹介しています。

2.売上が保証額を上回ったらどうなるのか

例えば給与保証が35万円でも、通常の給与計算で45万円になる売上を作った場合、いくら支給されるのでしょうか。

保証額が最低支給額として扱われるのか、ほかの条件があるのか。

この部分は契約内容によって異なるため、具体例を示してもらうと分かりやすくなります。

3.乗務回数や欠勤によって保証額は変わるのか

給与保証には、勤務日数や乗務回数などの適用条件が設けられている場合があります。

例えば、所定の乗務回数を満たさなかった月には、保証額がどのように扱われるのか。

体調不良で休んだ場合はどうなるのか。

金額と保証期間だけでなく、適用条件まで確認する必要があります。

4.保証終了後の給与計算はどうなるのか

給与保証が終わると、通常の賃金制度で給料が決まります。

ここでは歩合率だけでなく、計算対象になる売上が税込なのか税抜なのか、基本給や各種手当、賞与との関係はどうなっているのかを確認したいところです。

給与体系の違いについては、現役ドライバーの給料と年収の記事で詳しく紹介しています。

5.保証期間終了後の新人の実績はどうか

私が特に確認してほしいのは、この部分です。

会社全体の平均給与だけを聞いても、未経験者が最初から同じように稼げるとは限りません。

可能であれば、同じ営業所、同じ勤務形態で働く新人ドライバーの、保証終了後の給与例を聞いてみましょう。

給与例を見るときは、その人の乗務回数や月間売上も確認できると参考になります。

保証が終わる前に準備しておきたいこと

給与保証は、ただ収入が安定する期間として過ごすのではなく、タクシーの仕事を覚える時間として活用したいものです。

ただし、最初から売上ばかりを追いかけるのはおすすめしません。

安全運転、接客、地理、配車アプリやメーターの操作など、最初に覚えるべきことがあります。

そのうえで、ある程度仕事に慣れてきたら、自分の営業実績を振り返ることが役立ちます。

例えば、

  • 直近1か月の税抜売上はいくらか
  • 1乗務あたりの平均売上はいくらか
  • 曜日や時間帯によって売上に差があるか
  • 保証終了後に必要な収入へ届きそうか

このような数字を確認します。

タクシーの売上は毎回同じではありません。天候や交通状況、お客様の動きなどによって変わります。

好調だった1日だけを見るのではなく、複数回の乗務実績から判断することが大切です。

目標額に届かない場合も、休憩を削って無理に売上を追いかけるのではなく、会社の指導担当者などに営業方法を相談してみるとよいでしょう。

面接では、保証終了後の収入を具体的に聞いてみよう

ここまでの内容を踏まえると、面接や会社説明会でぜひ聞いておきたい質問があります。

「給与保証が終わった後、同じ勤務形態の未経験者は、どれくらいの売上でいくらの給与を得ていますか?」

この質問なら、保証額だけでは分からない情報を確認できます。

さらに、希望する給与額を伝え、通常の給与体系では月間どの程度の売上が必要なのか、具体例で説明してもらうのもよい方法です。

賃金の決定方法や計算方法などは、労働契約の締結時に明示することが求められている重要な労働条件です。

口頭の説明だけでなく、労働条件通知書や賃金規程などの書面でも確認しましょう。

参考:厚生労働省|採用時の労働条件の明示

よくある質問

Q.給与保証が終わった翌月から給料が大幅に下がることはありますか?

通常の給与計算による金額が、それまでの保証額を大きく下回る場合には、収入が減る可能性があります。

ただし、実際の減少幅は会社の賃金制度と売上によって異なります。

Q.給与保証が高い会社を選べば安心ですか?

保証期間中の収入を考えるうえでは魅力的ですが、それだけでは判断できません。

保証期間や適用条件に加え、保証終了後の給与体系、勤務形態、営業環境なども比較することをおすすめします。

Q.保証終了後に稼げるか不安です。何を確認すればよいですか?

必要な月間売上、同じ営業所の新人の実績、会社が用意している営業指導や相談体制を確認しましょう。

特に、希望する勤務形態で無理なく続けられそうかを考えることが大切です。

まとめ|給与保証より、その後の収入を考えよう

タクシー会社の給与保証は、未経験で転職する人にとって心強い制度です。

しかし、保証が終わった後も働き続けることを考えるなら、保証額だけで会社を選ぶのはおすすめしません。

大切なのは、保証終了後に自分がいくら稼ぐ必要があり、そのためにどの程度の売上が必要なのかを知ること。

そして、その売上を作れる環境が勤務先にあるのかを見極めることです。

私自身、タクシー会社によって給与体系や働き方が異なることを経験してきました。

これからタクシードライバーを目指す人にも、目立つ求人条件だけで判断するのではなく、長く働くことを考えて会社を選んでほしいと思います。

会社選び全体については、タクシー会社の選び方|入社前に確認したいポイントも参考にしてください。

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