「東京の道をよく知らない」「道を覚えるのが苦手でも、タクシードライバーになれるのだろうか」。未経験から転職を考えている人の中には、こうした不安を持っている人も多いと思います。
私も新人の頃は、新宿や渋谷の細かい道、一方通行などに苦労しました。
それでも現在は、特に「このエリアは難しい」と感じる場所はほとんどありません。
最初から東京の道を全部覚えていたわけではありません。
実際に走り、お客様や先輩から教えてもらいながら、少しずつ覚えてきました。
結論から言えば、道を全部覚えていなくてもタクシードライバーは始められます。
ただし、ナビを使えること、分からないときに確認すること、そして走りながら道を覚えていく姿勢は必要だと思います。
私も最初から東京の道を知っていたわけではない
私は東村山市出身で、東久留米市や中野区にも住んでいたので、東京の西側については大通りを中心にある程度知っていました。
ただ、普段クルマで走るのと、タクシードライバーとしてお客様を目的地までお送りするのでは全く違います。
大通りは知っていても、細い裏道や一方通行、目的地への入り方まで知っていたわけではありません。
特に新人の頃に苦労したのが、新宿や渋谷でした。
一方通行も多く、細い道には人も多い。
「こっちから入れると思ったら入れない」ということもありました。
道を知らないときは知ったふりをしない
新人の頃は、分からない場所に行くことも当然ありました。
そんなとき私は、無理に知っているふりをせず、
「新人でございまして」
と正直にお客様へお伝えすることもありました。
すると地元のお客様から、
「この道を入った方が早いよ」
「ここを抜けるといいよ」
など、裏道を教えていただくこともありました。
そういうときは、
「勉強になりました。ありがとうございます」
と頭を下げていました。
特にその地域に住んでいるお客様は、本当に道をよく知っています。
新人の頃は、お客様に教えていただいて覚えた道もたくさんあります。
乗車したら最初にルートを確認する
私の場合、お客様が乗車されたら、まず目的地を確認します。
「どちらまでお送り致しますか?」
「○○です」
「○○ですね。ご指定のルートはございますか?」
という流れです。
すると、
「特にないです」
「最短コースで」
「お任せします」
「ナビ入れてください」
「説明するから、その通り行って」
など、いろいろな返答があります。
ここで大切なのが、ルート指定がないからといって、そのまま何も言わずに走り出さないことです。
「特にないです」と言われてもルートを確認する
お客様から「特にないです」と言われ、自分が道を分かっている場合でも、私はルートを確認します。
例えば、
「○○通りから○○通りへ入り、○○交差点を右折するルートでよろしいですか?」
という感じです。
これは単に丁寧な接客というだけではありません。
タクシーでは、お客様が考えていた道と違うルートを走ると、
「遠回りしたんじゃないか?」
と思われてしまうことがあります。
出発前にルートを共有しておけば、ドライバーとお客様の認識を合わせることができます。
クレームを防ぐ意味でも、私はルート確認を大切にしています。
「最短コースで」と言われた場合も確認してから出発する
「最短コースでお願いします」
と言われた場合も同じです。
自分が最短だと思うルートを考え、その道順をお客様に確認してもらってから出発します。
こちらが最短だと思っていても、お客様が普段使っているルートと違うことがあります。
だからこそ、最初に確認しておくことが大切です。
逆に、お客様が知らなかった道を提案して、結果的にいつもより料金が安くなることもあります。
そんなときに、
「この道の方が早いんだね」
「いつもより安かった」
と喜んでもらい、チップをいただいたこともあります。
経験を積むと、単に目的地へ行くだけではなく、状況に合わせてルートを提案できるようになってきます。
お客様の案内だけに頼らず、先のルートを把握しておく
お客様から道を教えてもらうこともあります。
ただ、
「ここ右!」
と直前で言われても、安全に曲がれない場合があります。
そのため、私は目的地を聞いた段階でナビを入れ、大体どちらへ向かうのかを把握しておきます。
そして、
「この先、右折で大丈夫ですか?」
など、こちらから先に確認することもあります。
そこで、
「そこは真っすぐでいいよ」
と言われるような場合は、ナビとは違う地元の裏道を知っているお客様も多いです。
ナビとお客様の案内、その両方を使いながら走るイメージです。
ナビ通りに走れば絶対安心というわけではない
今はナビがあるので、新人ドライバーにとって道を確認する手段はあります。
ただし、ナビがあるから何も考えなくていいわけではありません。
新人の頃、ナビ通りに進んだところ、ものすごく細い道に入ってしまったことがあります。
結局進めなくなり、かなりの距離をバックして戻りました。
また、ナビの案内だけを見ていると、交通規制を見落としそうになることもあります。
だから私は、ナビを使いながらも実際の標識や道路状況を見ることを大切にしています。
NAVITIMEは今でも道路確認に使っている
私が道路を確認するときによく使うのがNAVITIMEです。
特に便利だと感じているのが、地図上でUターン禁止の場所などを確認できることです。
「この先でUターンできたかな?」
と思ったときなどに確認します。
また、
「この交差点、右折禁止じゃなかったかな?」
と気になる場合は、ストリートビューで現地の標識を確認することもあります。
もちろん、地図やストリートビューだけを信用するのではなく、実際に走るときは現地の標識や道路状況を確認します。
ナビは非常に便利ですが、最後はドライバー自身が安全を確認することが大切です。
高速道路の出口を間違えたこともある
新人の頃、高速道路の出口を間違えてしまったことがあります。
一般道と違い、高速道路は出口を一つ間違えるだけでも距離や料金が余計にかかってしまいます。
そのときは、最初にナビへ登録していたルートと距離を基準にして、間違えたことで余計にかかった分の料金をお客様へお返ししました。
このときは、最初にナビへ目的地を登録していたことが非常に役立ちました。
この失敗から、高速道路では分岐や出口を早めに確認することをより意識するようになりました。
道を覚える一番の方法は実際に走ること
「どうやったら道を覚えられますか?」
と聞かれたら、私なら、
実際に何度も走ること
と答えます。
地図を眺めるだけより、実際に走った方が覚えます。
同じ道を何度も走っているうちに、
「この道とここがつながっているのか」
「ここからこの駅へ行けるのか」
と、頭の中で少しずつ道がつながってきます。
分からないことは先輩ドライバーに聞くのも勉強になります。
実際に営業している先輩だからこそ知っている道もたくさんあります。
最初は大通り・交差点・駅・主要施設から覚える
最初から細い道まで全部覚えようとすると大変です。
私の場合、まず大通りを覚えました。
そこから大きな交差点の名前、主要駅、名所、区役所、病院などを覚えていきました。
こうした場所が頭に入ってくると、東京の道が少しずつつながってきます。
先輩からよく「覚えておいた方がいい」と言われたエリアの一つが銀座です。
営業する地域によっても違いますが、まずは主要な道路と主要施設から覚えていけばいいと思います。
「石の上にも三年」は本当だと思う
タクシードライバーをやっていると、
「石の上にも三年」
という言葉は本当だと感じます。
新人の頃は新宿や渋谷だけでも大変でした。
それでも毎日走っているうちに、少しずつ道がつながってきます。
現在は、「この場所は特に難しい」と感じるところはほとんどありません。
もちろん、今でも初めて行く場所や知らない細い道はあります。
そんなときは住所を確認してナビへ入れ、お客様にもルートを確認します。
全部の道を暗記する必要はありません。
分からないときに確認できればいいのです。
東京の道を知らなくてもタクシードライバーになれる?
私はなれると思います。
ただし、現在はナビを使う場面が多いため、ナビをきちんと操作できることはかなり大切です。
逆に、ナビの操作が苦手なままだと、東京の道をほとんど知らない状態から仕事をするのは厳しいと思います。
未経験からタクシードライバーになるまでの流れについては、こちらの記事でも詳しく書いています。
また、未経験で会社を選ぶ場合は、研修や新人へのフォロー体制も確認しておいた方がいいと思います。
道を全部覚えてからタクシードライバーになる必要はない
これからタクシードライバーになろうとしている人に伝えたいのは、
東京の道を全部覚えてから入社する必要はない
ということです。
私自身、新人の頃はお客様から道を教えていただきました。
細い道に入ってしまったこともあります。
高速道路の出口を間違えたこともあります。
それでも、同じ道を何度も走り、お客様や先輩から教えてもらいながら少しずつ覚えてきました。
道を知らないことよりも、分からないのに知っているふりをすること、確認せずに走ってしまうこと、ナビだけを信用して周囲を見なくなることの方が危ないと思います。
新人の自分に今、道について一言伝えるなら、
「NAVITIMEがあれば大丈夫です」
と言います。
そしてもう一つ付け加えるなら、
ナビを使いながら、実際に走って覚えていけば大丈夫です。



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